ウイスキー

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ウイスキーWhisky または Whiskey)は、蒸留酒の一つで、大麦ライ麦トウモロコシなどの穀物麦芽酵素糖化し、これを発酵させ蒸留したものである。

「ウイスキー」の名称は、ゲール語uisce beathaウィシュケ・ベァハ、「命の水」の意)に由来する。日本語ではウィスキーまたはウヰスキーウ井スキーとも表記され、漢字では火酒と書かれる。ただし酒税法での正式名称は「ウイスキー」である。

なお昔はスコッチ・ウイスキー(モルトウィスキー)を Whisky、アイリッシュ・ウイスキー(グレーンウィスキー)を Whiskey と区別していた[1]

歴史[編集]

ウイスキーが歴史上はじめて文献に登場したのは、1405年アイルランドである[2]。このときウイスキーは修道士たちによって製造されていた。スコットランドでも1496年に記録が残っているが、実際はウイスキーはこれより数百年も前からあったものと考えられている。初めてウイスキーが製造されたのがいつからで、それがどこでだったかはわかっておらず、この時期のアルコール飲料の製造記録は残っていないために推定することはむずかしい。またウイスキーは個別の集団によってそれぞれ独立に発明された可能性もある。

最初に蒸留アルコールが製造されたのは8世紀から9世紀にかけてであり、その場所は中東だった[3]。蒸留の技術は、キリスト教の修道士らによってアイルランドイギリスにもたらされた[要出典]

蒸留の技法は収穫後の過剰な穀物を加工する手段として、アイルランドや英国においても(独立に、あるいはアラビアの技術に先立って)農民によって発見されていた可能性がある。

一般的な製法[編集]

麦を発芽させ、その麦芽に含まれる酵素を利用してデンプンを糖化させる。この方法自体はビールの仕込みとほぼ同じであり、これを濾過して麦汁(ばくじゅう)を得、これを酵母によって発酵させると、アルコール度数7-8%の「ウォッシュ」(Wash) と呼ばれる液体となる。これを単式蒸留器で蒸留する。一般に、複数回の蒸留を終えた際のアルコール度数は60~70%で、色は無色透明である(これをニューポットと呼ぶ)。蒸留液は木製の樽に詰められ(スコッチ・モルト・ウイスキーでは通常、材木にオークが用いられるが、これに限らない)、数年以上エイジングして熟成させることによって豊かな風味と色を呈する。ウイスキー原酒は熟成により、樽毎に異なる風味に仕上がるものであり、最終的にはこのいくつかの樽の原酒を調合し、香味を整えてから度数40%程度まで加水し、瓶詰めされ出荷される。なお、ワインと異なり瓶詰め後に熟成が進むことはない。また、低価格品でも高級品でも、同一メーカーであれば同じ原料と同じ製法であるところが、日本酒やワインなどの醸造酒とは大きく異なる点である。

飲み方[編集]

飲み方は多様。そのままで(ストレート)、または水で割り(水割り)、もしくはを入れて(オン・ザ・ロッククラッシュ)飲むほか、カクテルの材料として加えられることもある。

  • ウイスキーはアルコール濃度が高く(40%以上)、ストレートで飲む場合、水をともに用意し、ウイスキーと水とを交互に飲む作法がある(この水はチェイサーと呼ばれる)。風味をストレートで嗜んだ後の、重厚な舌触りや圧倒的な香気に覆い包まれた口中に水を含み呑むことで、清涼感の拡がる中に香味の余韻が際立ち、また消化器への刺激も軽減できる。
  • 水割りでは、水とウイスキーの比によって、様々に変化する味わい、まろやかさを堪能できる。特にウイスキーと水とを1対1で割る「トワイス・アップ」(氷は加えない)は、ブレンダー(調合師)がウイスキーの試飲の際に用いる飲用法であり、適度にアルコールの強い香気を丸め、ウイスキーに含まれる味や香りを引き出し堪能する飲み方として、愛飲家は重んじている。そしてオン・ザ・ロックは氷が融けるにつれて変化する味を楽しむことができる。
  • このほか日本においては、口当たり良い食中酒としてウイスキーに親しんできた独特の飲用文化から、水の比を多くした水割りも好まれる。
  • もちろんカクテルの材料としてもウイスキーを楽しめるが、その中で最もポピュラーなのは炭酸水割りのハイボールである。その他のウイスキーベースのカクテルとしてはカクテルの女王と呼ばれているマンハッタンやウイスキーをコーラで割ったコークハイ等がある。
  • ステーキなどの肉料理のフランベにもブランデーなどと同様の使われ方をする。

ウイスキーの種類[編集]

材料による分類[編集]

モルト・ウイスキー[編集]

大麦麦芽(モルト)のみを原料とするもの。一般的に、単式蒸留釜で2回(ないし3回)蒸留する。少量生産に適合的で、伝統的な製法。もっとも、大量生産や品質の安定が難しい。

グレーン・ウイスキー[編集]

トウモロコシ、ライ麦、小麦などを主原料にするもの。連続式蒸留機による蒸留を経るため、モルトウイスキーに較べ香味に乏しく、通常はブレンデッドウイスキーに加えられ、風味を和らげる。しかし高級モルトウイスキー同様の長期熟成を行ったシングル・グレーンの最終商品も稀少ながら発売されている。

ブレンデッド・ウイスキー[編集]

モルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーをブレンドしたもの。大量生産や品質の安定に適合的。

ライ・ウイスキー[編集]

詳細は ライ・ウイスキー を参照

主に北アメリカで生産される。ライ麦を主原料とする。カナダとアメリカ合衆国ではそれぞれ定義が異なる。

コーン・ウイスキー[編集]

詳細は コーン・ウイスキー を参照

トウモロコシを原料とする。アメリカン・ウイスキーにおいて原材料の80%以上にトウモロコシを用いたものを指す。

産地による分類[編集]

産地などによって原材料や製法に違いが見られ、そのため以下のように区別される。スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキー、ジャパニーズウイスキーが世界の五大ウイスキーとされる。ただし、ジャパニーズウイスキーを含めることについては、日本のメーカーだけが主張している可能性[4]、そして例えばウイスキーの本場であるスコットランドの一般人がこのような認識を持っていない可能性[4]を指摘する意見もある。

英国・アイルランドのウイスキー[編集]

連合4か国のうち、以下のように、イングランド産のみが存在しない。

スコッチ・ウイスキー[編集]
詳細は スコッチ・ウイスキー を参照

スコットランドで造られるウイスキーをスコッチ・ウイスキーまたは単にスコッチと呼ぶ。仕込みの際に、泥炭(ピート)で麦芽を燻蒸するため、独特の香気(スモーキー・フレーバー)があるのが特徴である。

アイリッシュ・ウイスキー[編集]
詳細は アイリッシュ・ウイスキー を参照

アイルランドで造られるウイスキーをアイリッシュ・ウイスキーと呼ぶ。大麦麦芽のほか、未発芽の大麦やライ麦小麦なども原料として使用する。

最大の特徴は、ピートによる燻蒸を行わないことと、単式蒸留器による蒸留回数が3回であること。これにより、一般的なスコッチウイスキーよりもまろやかな味わいに仕上がる。

ウェルシュ・ウイスキー[編集]
詳細は ウェルシュ・ウイスキー を参照

古くからウェールズでもウイスキーは製造されていたが、1984年に一度この歴史が途絶えた。2000年に製造が再開され、2004年3月1日に出荷された。

アメリカン・ウイスキー[編集]

アメリカ合衆国で醸造されるウイスキーの総称。地域によって差があるが、他の地域のウイスキーではあまり用いられないトウモロコシを原料として用いる特色がある。

バーボン・ウイスキー
ケンタッキー州バーボン郡を中心に造られるもので、単にバーボン (Bourbon) とも呼ばれる。トウモロコシを主原料(50%以上79.99%まで。80%以上はコーン・ウイスキー (Corn whiskey) に分類される)とし、内側を焼き焦がしたオーク樽で2年以上熟成させる。
テネシー・ウイスキー
テネシー州を中心に造られているウイスキー。広義のバーボン・ウイスキーに含まれることもある。バーボンとの違いは、蒸留したばかりの原酒を同州産のサトウカエデの炭で濾過した後に樽で熟成するところ。有名なブランドには「ジャック・ダニエル」(Jack Daniel's) などがある。

カナディアン・ウイスキー[編集]

詳細は カナディアン・ウイスキー を参照

カナダ原産。トウモロコシを主原料とするベース・ウイスキーとライ麦を主原料とするフレーバリング・ウイスキーをブレンドして作られ、アイリッシュ・ウイスキーより更におとなしい風味であることが一般的。一方で、少数だがスコッチスタイルのウイスキーも生産されている。

ジャパニーズ・ウイスキー[編集]

詳細は ジャパニーズ・ウイスキー を参照

1918年よりスコットランドに留学した竹鶴政孝によってスコッチ・ウイスキーの伝統的製法が持ち帰られたことが日本のウイスキー製造の端緒である。竹鶴は壽屋(現サントリー)に在籍し、1923年開設の山崎蒸溜所の初代所長となり、のちにニッカウヰスキーを創業した人物であり、両社には竹鶴の(及びスコッチの)影響が色濃く残っていると云える。当初竹鶴の目指した本格的なウイスキーは高価格に加えスコッチ直系の重厚な風味が逆に敬遠されて飲まれず、庶民が飲めるのはトリスをはじめとした安価だがあまり質の良くないウイスキーであった(中には原酒すら入っていない粗悪品もあったようである)。一方で高級品は舶来(ジョニ黒ことジョニー・ウォーカー黒ラベルなど)が定番であった。その後、サントリーとニッカの両社は独自の発展を遂げ、技術も向上し21世紀初頭には国際的な品評会で高い評価を収めることが増えている[5]。主な製品としては、廉価ブランドでは、トリスウイスキーサントリーレッドブラックニッカなど。中価格帯ブランドでは、サントリーオールドサントリーリザーブニッカオールモルトスーパーニッカなど。高価格ブランドでは、サントリーでは山崎白州、ニッカでは竹鶴余市宮城峡などがある。また、単一銘柄で普及価格商品と長期熟成の高級価格帯とを同時展開する、キリンディスティラリー(旧キリン・シーグラム)の富士山麓シリーズなどもある。

日本の主なウイスキー製造会社[編集]

主なメーカーとしては

などがある。

このほか、地方の小規模な酒造会社(多くは日本酒の蔵元を兼ねる)も少量ながらウイスキーを生産している。これらは「地ウイスキー」と呼ばれる。地ウイスキーのメーカーとしては以下のような例がある。

ウイスキーの日本国内市場での販売量は、2004年の1年間で、8万7500キロリットル余りと推計されており(課税および通関統計)、うちサントリーが約67%、ニッカウヰスキー(アサヒビール子会社)が約21%と推計されている(日本経済新聞社推計)。

その他の産地[編集]

ドイツのウイスキー
ドイツではスコッチ原酒を国内で熟成・ブレンド・瓶詰めしたレベルの高いウイスキーを生産している。
タイ・ウイスキー
タイでのみ生産されている。ウイスキーとは呼ばれているが、焼酎の仲間である。と糖蜜を主原料とし、発酵させたものを蒸留し、ウイスキーの香りを付けている。他のウイスキーより甘みが強いのが特徴。代表銘柄はメコン・ウイスキーで、秋篠宮文仁親王もファンだという。日本で一般的な飲み方の外に、特殊なものとして、ストレートを半口とミネラルウォーターを交互に飲む方法と、タイ漢方薬などの薬草と混ぜて上記の方法で飲むヤードーンと呼ばれる方法がある。
インドのウイスキー
インドではイギリス植民地時代からスコッチウイスキーの製法に準じたウイスキーを製造しており、現在では5大ウイスキーに次ぐ生産量を誇っている。

その他[編集]

ウイスキーの良い点として、カロリーが低い、プリン体がほぼゼロ、何年も熟成する間にオーク樽から溶け出す「樽ポリフェノール(ワインなどよりも抗酸化力が強力)」が含まれている、チロシナーゼと呼ばれるメラニン色素生成の働きを抑制する成分が含まれる(美白をもたらす可能性)、などがある。

雑学[編集]

関連項目[編集]

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脚注[編集]

  1. 坂口 謹一郎 『世界の酒』 p.175 岩波書店 1957年1月17日発行
  2. () Who invented whisky - the Scots or the Irish? 英語 2007-02-18
  3. David J. Hanson, Ph.D. () David J. Hanson, Ph.D. History of Alcohol and Drinking around the World 英語 2007-01-23
  4. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「hyperpress2002」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  5. 2007年 ワールド・ウイスキー・アワード6部門全ての世界最優秀賞を発表、株式会社 ウィスク・イー
アルコール飲料
アルコール
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醸造酒
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蒸留酒
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リキュール
香草・薬草系 - 果実系 - ナッツ・種子系 - その他のリキュール
その他のアルコール飲料
キルシュヴァッサー - ピスコ - 白酒
カクテル
ウォッカベース - ジンベース - ラムベース - ウイスキーベース - ブランデーベース - テキーラベース - その他ベース - ノンアルコール
関連項目
ライ麦 - 麦芽