ボジョレー

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ボジョレーBeaujolais; ボジョレボージョレ)とはフランス南東部・リヨンの北に位置するワインの産地であり、しばしばこの地のワインそのものを指す。フランス革命以前のボジョレーは単独のであった。

現在、行政上はローヌ=アルプ地域圏に属するがブルゴーニュ地域圏マコネMâconnais)地区に隣接し、この地のワインはブルゴーニュ・ワインに分類される。毎年11月第3木曜日に解禁される特産品の新酒ボジョレー・ヌーヴォーBeaujolais nouveau)で知られる。

「ボジョレー」と名乗ることのできるワインは赤ワインであればガメ(又はガメイ、gamay)種、白ワインであればシャルドネchardonnay)種を使用したものに限られ、これらは法律によって定められている。しかし、白ワインは全体の生産量の1%にすぎないという。

赤ワインには一部地域を除きピノ・ノワールpinot noir)種の補助的な使用も認められているが、今日ではもはやピノ・ノワールが使用されることはない。

クリュ・ボジョレー[編集]

この地域にはクリュ・ボジョレと呼ばれる、より範囲の限定されたワイン産地が含まれる。下にこの範囲にはいっている村名を記す。なお、フランスのワイン法ではこれらの地域で作られたワインを生産された村名で販売することを許されているだけで、これらの地域からも単純なボジョレーワインとして地域名で出荷される事もある。

  • サン・タムールSt. Amour
  • シェナス(Chénas
  • ジュリエナス(Juliénas
  • シルーブル(Chiroubles
  • ブルイィ(span lang="fr">Brouilly</span>)
  • コート・ド・ブルイィ(Côte de Brouilly
  • フルリ(Fleurie
  • ムラン・ナ・ヴァンMoulin à Vent</span)
  • モルゴン(Morgon
  • レニエ(Régnié

ボジョレー・ヌーヴォー[編集]

ファイル:Beaujolais Nouveau bottle.jpg
2002年のボジョレー・ヌーヴォー

ボジョレー・ヌーヴォーBeaujolais Nouveau)とはフランスブルゴーニュ地方南部に隣接する丘陵地帯・ボジョレーで生産される赤ワインのその年の11月に出荷される新酒・プリムールのことである。その年に採れたブドウから作り込むためにMC(マセラシオン・カルボニック)法と呼ばれる急速にブドウを発酵させる技術が用いられる。醸造期間は数ヶ月と早い。その独特の製造方法のためにごくわずかながら炭酸ガスを含有する。それゆえ、また独特の清涼感をも感じさせてくれるワインでもある。

ボジョレー・ヴィラージュBeaujolais Villages)と呼ばれるより限定された地域のものにも新酒があり、こちらには「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」というラベルが貼られる。

これらはその年に収穫されたブドウガメ種)を使用し、それぞれの国の現地時間で11月の第3木曜日(=11月15日21日のうち木曜日に該当する日)の未明の午前0時に一般への販売が解禁される。特に日本は時差の関係から世界の先進国の中で最も早く解禁の時を迎えると言われ[1]、この時のためにワインとしては例外的に空輸される。24時間営業のスーパーマーケットレストランバーなどではイベントも兼ねて当日午前0時になった瞬間に販売を始めるところも多い。梱包箱には「○○年11月○○日午前0時以前の販売および消費 厳禁」の文字が書かれている。

日本ではバブル時代の1980年代に大きなブームになり解禁日未明に成田空港に行って飲む人まで現れるなどの状況であったが、バブルの崩壊でブームが終わった。しかし1997年頃からの赤ワインブームに乗って再び脚光を浴び、バブル時代を上回る市場規模となっている。2003年ものは過去最大の販売数量を記録した。現在、スーパーマーケットや酒店、コンビニなどの一般小売店で1本あたり2,000から3,000円程度で販売される。通常の赤ワインと違って、少し冷やして飲むとおいしいとされる。現地においては高値で多量(輸出量の半分を日本が占める)に買い漁る日本のやり方に対する批判が存在する。なお、現地での価格は日本の数分の一である。

このヌーヴォーはそもそも当地の農民が収穫を祝ったのが始まりとされる。そのため本格的な輸出が始まったのは1968年と遅く当初の解禁日は11月15日であったが、1984年から解禁日を11月の第3木曜日に改められた。

解禁日が設けられた理由はヌーヴォーがよく売れるということで各メーカーがどこよりもいち早くヌーヴォーを出荷しようと競い合っていたものがだんだんエスカレートしていき、ついにはワインとして十分出来上がっていないにもかかわらずワインとして出回るようになってしまったからである。解禁日が設けられて以後、各メーカーはこの解禁日までにワインとしてきちんと作り込むこととなった。

ヌーヴォーは業者の販売戦略であろうと推測されるが「今年のボジョレーの出来は気候に恵まれ例年以上の出来という事です」と必ず毎年触れ込む。

製法について

葡萄収穫 → そのままタンクに放り込む → 自重で下の方の葡萄は潰れ、自然発酵が始まる → その後、破砕、窄汁 → 一次発酵(リンゴ酸発酵) → 二次発酵(乳酸発酵) → タンク貯蔵熟成 → 瓶詰め → 出荷

一般のワインの場合は窄汁した葡萄液を発酵させるのに対し、ボジョレーの場合は皮ごと半発酵させてから窄汁し本発酵へ進む点が他のワインの製造法と決定的に違う。一次発酵でアルコール分を生成し、二次発酵で残存糖分を分解し、糖分を除去している。

半発酵状態の窄汁液を現地ではパラディと呼び(パラダイスの意)、低アルコール度数のライトドリンクとして製造業者の密かな楽しみとなっている(市場には出回らない)。

Beaujolaisの日本語表記について[編集]

Beaujolaisの日本語表記については現在、「ボージョレ」「ボージョレー」「ボジョレー」「ボジョレ」など種々の表記がみられる。新聞などは「ボージョレ」という表記を採用しているところが多い。一方、雑誌やワイン売場の店頭などでは「ボジョレー」「ボジョレ」という表記がよく見られる。またしばしば「ヴォジョレ(ー)」とされる事があるが、原音が/v/ではないので誤りである。

フランスのワイン業界人や現地での発音は「ボジョレ」に近い。また、"Macon"が"Maconnais"(マコネ)、"Chalon"が"Chalonais"(シャロネ)となるように、"Beaujolais"は"Beaujeu"からきていることを付記しておく。

ボトルラベル[編集]

ジョルジュ・デュブッフ社やアルベール・ビジョー社によるワインには斬新なデザインのカラーのボトルラベルが付いており、毎年新しいものとなる。

脚注[編集]

  1. マスコミもよく「日本が先進国の中で最も早い」と報じているが、もし時差通りなら実際にはニュージーランドのほうが早いことになる。マスコミが意図的に誤報を広めているのか、それとも別の理由があるのかは不明である。

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